イベントや勉強会に
「まず参加する」
高浜祐二氏は、前出の花桐貴広氏が本部長を務める第一SI本部と同じSI事業部所属のクラウドSI部の部長である。同部は今年4月に設置されたばかりの新しい部門で、高浜氏はそのリーダー役を担うために、グループ会社のJBアドバンスト・テクノロジー(先進技術研究所)から異動してきた。
クラウドSIについて高浜氏は、「PaaSをベースに、さまざまなサービスをAPIで連携させて、従来にないシステム構築を実現する分野。ただし、クラウド上では先進的なサービスや技術が次々に登場するので、それらを消化してクラウドSIを実践するには、新しい考え方と新しいスキルセットが必要で、そのためのスキルチェンジが、私を含めてメンバー全員の目下の課題です」と説明する。
クラウドSI部では現在、「PaaSベースの開発(特に、サーバーレスアーキテクチャ)」「UI/UX」「DevOps」の3つを重点テーマとして掲げている。高浜氏にとっては、これら3つの技術動向を見定め、強化すべき技術を絞り、8名のメンバーをリードしていくことが大きな仕事だ。
その高浜氏が自らのスキルチェンジを念頭に置いて実践するのは、注目する技術のイベントや勉強会に「まず参加すること」である。
「技術に関する情報はネット上にたくさんありますが、すべてを信用し切れないのと網羅的に見られないので、外部の催しに積極的に参加し、重要なトピックや技術を肌で感じ、人とのつながりの中から情報を収集するようにしています」(高浜氏)
この3月には、「本当に走るハッカソン」という名称のハッカソンに参加し、最優秀賞を獲得した。開発したのは、Bluemixとウェアラブル・デバイスを使い、独自のアルゴリズムによってランナーの体力を可視化するモバイル・アプリである。
「イベントや勉強会に参加すると、驚くような技術や経験をもつ人に出会うことが少なくありません。私はそうした場での出会いを大切にして、その場でFacebookの友達申請をし、技術やその人の興味を継続的に追うようにしています。しかし、出会った人とのつながりを保っていくには情報をもらうだけではダメで、こちらからの情報発信が欠かせません」と言う。
発表は自分の考えを
整理するいい機会
高浜氏は、情報の発信や共有にも積極的だ。社外では技術に特化した内容をライトニング・トークで発表したり、勉強会後の懇親会では「相手の興味に少しでも応えられるよう積極的に会話することを心がけている」と言う。
社内ではJBグループ内の技術者コミュニティである「JBグループOSSコミュニティ」や四半期ごとに開催される「技術者情報連絡会」という情報共有の場で講師を務めたり成果を発表している。
「発表にあたっては、資料を読み込み、プレゼンのための組み立てが必要になるので、自分の考えを整理するいい機会になります。また、自分のスキルや経験を知ってもらい活用してもらうことで、人との新しいつながりやビジネス面での広がりも期待できます。部のメンバーにもどんどん外へ出て外部の人と交流したり発表をしてもらいたいと思っていますが、まずはプレーイング・マネージャーとして私自身が前へ出て行こうと考えています」(高浜氏)
高浜 祐二氏
JBCC株式会社
SI事業部
第一SI本部 部長
エンジニア歴:19年
[IS magazine No.12(2016年7月)掲載]